2022/08/29 21:00

画像処理の本質とは。


2022年8月いまでこそ静まりましたが、数年前までは、Instagramのフィルターをギラギラに掛けて遊ぶのが流行りました。
故意に階調を破壊して違和感を作り出す。
その違和感がアイキャッチとなるから、いいね!が集まる。という流れでした。

いえ、もちろん、どのような遊びがあろうとも、どのようなマーケティング手法があろうとも、それはそれで結構なことだと思います。
わたしが感じていたことは、
せっかく技術革新が進み、自然界の階調豊富な大きなダイナミックレンジを一枚の中に収めることが可能になっているにもかかわらず、それを昔のように狭い範囲しか記録できなかった姿に「わざと後退させる」その方法がどうなのかな?と感じたことでした。

あるいは、
そのように、わざと劣化させることが当たり前になってしまっており、感覚が麻痺した人が大量に出現したことでした。
5,6年前のセミナー会場で、画像処理とはフィルターをかけることだ。と思っていた、とおっしゃる人たちが大半な会場に伺い唖然とした記憶が生々しいです。

まあ、振り子は片方に振れると必ず元に戻り、今度は反対側に振れて行きます。
いま2022年は、ちょうどニュートラルに戻った地点なのかな、と感じています。

他方、
そんなお遊びから離脱し、色彩感という部分の感性を取り戻した方々は増えている印象で、このような雲の絵に対しても敏感に反応なさる方がある程度いらっしゃる様子です。
画像処理的な見方をしますと、
彩度(ブライトネス)を上げることで、より鮮やかになるには違いありません。
しかし、すべての色が同じように高まってしまい、いわゆるギトギト品の無い色が濃いだけの絵になりがちです。

それならば、どの部分を調整するのか?という面積的な(範囲選択的な)観点で見るのも一つの考え方でしょう。
あるいは、
どのチャネルで調整するのが良いのか?(HSL)といったような観点もあると思われます。


画像処理は、いよいよ「もっと玄人的」なところに突入しつつあるように感じます。
本質を見極める。
この世界でも、道は確実に分岐してきた印象です。

わたしは、こちらの道でお待ちしています。
テキスト販売としてはまだ準備が整っていませんが、いずれこの場でのコンテンツもご提供できればと思っています。
引き続きごひいきのほどよろしくお願いいたします。