2022/08/31 15:16

コントラストは強ければ強い(高ければ高い)ほど良いのか?

セミナーや講演の会場で、思い出したように寄せられる質問です。

その根拠として、
例えばテレビ(機器としてのTV)の広告媒体でも、高いコントラストで訴えるような文言があるから。
スマホの画面でも高コントラストが謳い文句だったりするから。
というのがその理由だったりします。
その回答は、
「高いほど印象的でインパクトがあるのは確かです」
しかしながら、
「階調を感じさせる表現方法もありますよ」
といった内容でしょうか。


この絵のような逆光シーン。
願ってもない千載一遇のチャンス!と、わたしは感じてしまうのですが、多くの場合(特にビギナーの場合)には、逆光ダメだ・逆光ダメだ...の、お経を唱えるので、貴重なチャンスを逃してしまいがちです。
逆光こそ、被写体を印象的に語る一つの手段であること。
いまでこそ知られるようになったと感じますが、光のお話しはまた別の機会に譲ることにします。

このシーン、結構色々と画像処理部分で触っています。
撮影そのままでは、完全シルエットになるほどコントラストが高いのです。
また、露出オートのままだと、ハイライト(太陽が水面に映っている部分)は飛んでしまう可能性も高いです。

要は、撮影時点では「もっと光ってもっと沈んで。」そんな印象の絵です。
それは、言い換えるとコントラストは相当高い状態と言えます。

ですが、わたしが感じたこのシーンの感覚は、シルエットを表現したいものではありませんでした。
(こうした部分は、撮影者の感覚と感性次第なので、何が正解というものは存在しません。)
水面と地面の地肌が出ている部分との対比が印象的だったので、それをうまく残したいというのが第一。
そして、
その交互に見える筋が印象的。なので、黒と白の帯...のように見せながら、でも細部に意識を合わせてゆくと、地面と水面なんだな。とわかってくる感覚。
そして、
さらに見てゆくと、水面には空の雲の形が映っている。

このように、一枚の写真からは実は「時系列」での語りも可能になってきます。
これらの細部への意識を導くためには、
「明と暗」の二階調ではとても語り尽くせないので、できる限り階調を豊富に残したい。ということなのです。

コントラストは高い(強い)ほど良いのか?
何かのヒントになれば嬉しく思います。

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撮影、楽しんでください。
また、オンラインでの機会がありましたら是非ご一緒しましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。